須磨学園中学校・高等学校

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高等学校帰国入試のページ  

●2007年 ●2008年


●2007年訪問、2008年4月一部改訂

新進気鋭の進学校、須磨学園を訪問いたしました。
三宮から地下鉄に乗り換え、板宿駅で降ります(山陽電鉄板宿駅も、殆ど同じ場所にあります)。進行方向一番前から改札に上がります。改札を出て、そのまま真っ直ぐに進むと、北出口東口がありますので、そこから地上に上がります。アーケードのある明るく広い商店街を通り抜けると、真正面にダイエーがあって、そこを左折して川沿いの道に出ます。すると、すぐ山手に須磨学園の校舎が望めます。川沿いの道を行き、校舎の下あたりの橋を渡ると、目の前に石段が現れ、そこから急に登りになりました。登りきると、下から見えたタンクのところに出て、そのすぐ右上に学園の入り口がありました。守衛さんがいらっしゃいます。振り返ると海まで見晴らせる素晴らしい眺めです。ここまで、徒歩15分程でしょうか。門を入って坂を登っていくと、日の丸が掲げられ日章旗がはためいていました。二つの校舎を結ぶ連絡通路の右手に事務室への入り口があります。

この手前を左折して橋を渡りますこの手前左折で橋へ両方から行けますが左がお勧め 階段より左の道がラクです

この学校は以前は須磨女子高校といいましたが、1999年、須磨学園と改名し、進学を目指す共学の高校になりました。その後、2004年に中学校が開校し、(2008年4月30日現在)中高一貫の一期生は今高校年になっています。2002年に共学1期生が卒業したのですが、それから今年の7期生まで、毎年、大学合格実績をどんどん伸ばし、今年は京都大学4名、大阪大学10名、北海道大学2名など国公立大学へ140名を送り出し、早稲田15名、慶応9名などいわゆる六大学とICU、上智、東京理科大へ68名が合格している。関西では、関関同立へ254名が合格している(2008年3月31日現在)。毎年現役合格率が90%程度だとのことでした。

このような大きな学校方針の転換に大変尽力されたのは、1998年に就任された、校祖である西田のぶのお孫さんの現理事長西泰子先生だろうと思います。また2001年にはそのお兄さんである西和彦氏が学園長に就任されました。この西和彦氏というのはアスキーを設立された人で、ビル・ゲイツと会って1979年にマイクロソフト社技術担当副社長となり、その後の日本のコンピューター黎明期を支えました。この西和彦氏が使用していたノートを参考に、プロジェク・トマネジメント・ノート(PMノート)とタイム・マネジメント・ノート(TMノート)が作成され、それを全生徒が毎週金曜日の1時限目を使って記入していくそうです。目標を定め、そのための自己管理と時間の計画的活用を習慣づけることに大きな役割を果たしているということでした。私も見せていただきましたが、それぞれ1冊ずつのバインダーになっており、年間分が1冊で、1年ごとに中身を入れ替えてまた3年間(一貫生の場合は6年間)使うそうです。どちらのノートも1週間分が1頁となっています。Mノートでは1週間分の学習到達目標を書き込み、TMノートでその目標を達成するための時間割を割り振っていきます。その結果、合理的な時間管理ができ、ゆとりの時間を作る方法をも身につけていくそうです。やった事を消していくことで達成感も得られるということでした。学習目標を達成していないのに、したというような嘘を書いた場合についてお尋ねしましたところ、そういうケースもあるが、それは毎日の確認テストや宿題提出状況ですぐ分かってしまうそうです。年5回の保護者会に加え、24時間ネット保護者会というPCを活用した方法で保護者とは緊密な連絡が取れるとも仰っていました。親からの疑問はすぐ受け付けてもらえるそうです。(海外からのお問い合わせも、どんなことでも、何度でも直接メールください、とのことでした)

現在のところ、帰国生徒は各学年に3名程度ずつ居るそうですが、過去に海外滞在経験もある生徒も含めると、全学年で50名以上になるでしょう、ということでした。帰国枠は高校だけにありますが、中学入試でも願書の裏に海外経験を記入すると、ボーダーの場合、選考の参考にしていただけるということでした。高校2年秋に現地校から帰国した生徒は、その後の頑張りの結果、一般入試で一橋大学に合格されたそうです。ただ、もともとかなり勉強がおできになる生徒さんのようで、中学入試で既に難関校に合格していらっしゃったのですが、渡航されたそうです。誰でも出来ることではないだろうと思います。なお本校では予備校の先生も非常勤として勤務していらっしゃって、高校3年になると大学別、進路別に細かくコースを設定されており、予備校に通う生徒は殆ど居ないということでした。必要が無いということなのでしょう。
高校は男女比が半々、中学では男女も
ほぼ同じくらいの割合だそうです。進路として理系を希望する女子も多いそうです。この学校のモットー「なりたい自分になる」ために、進路については十分に考えさせるそうです。高校2年での東京研修旅行では、東京の大学を自由に見に行かせたりもするということでした。
ただ、中高一貫生と高校から入った生徒とは全く教育課程が異なっているそうです。一貫生は1年間、前倒しで学習を進めているということでした。

英語の学習についてお伺いしましたところ、中学のオーラルなどはクラスを2分割してティームティーチングの二人で教えていらっしゃるそうです。英語圏出身の希望者には週1回から2、放課後に英会話の講座が設けられているとのことでした。これにより、英会話の力を維持してもらいたいという配慮だそうです。

 中高一貫生は中2でアジア5カ国を7日間で回り、中3の秋にアメリカ、高1の秋にヨーロッパにそれぞれ日間ほど研修旅行します。こうやって世界を見て回るということでした。なお、アメリカではマイクロソフトやボーイングの本社なども、学園長の関係で見学することができるそうです。こういった海外や東京などの研修旅行をすべて含めて、毎月2万円ずつの積み立てで賄えるそうです。(世界一周は中高一貫生のみ)                         

さて、帰国生の国語などの遅れについてですが、責任を持って面倒を見ていきます、と仰ってくださっていました。
心の問題に関しては、スクールカウンセラーがおり、また匿名での電話相談システムもあるということです。
全ての面で面倒見の良い学校という感じを受けました。

帰国枠入試では、一般入試と同一問題を実施し、教科は英(リスニングを10分程度含む)・国・数・英作文(A4用紙1枚程度の課題英作文)と保護者同伴の面接ですが、国語の古典や数学の海外の遅れ分などを十分考慮してもらえるそうです。面接で大切にしていらっしゃるのは、日本的な集団学習についていけるかどうか、制服といった地味な服装に抵抗感がないかどうか、日本の文化を好んでいるかどうか、といったところだそうです。帰国生徒の場合、勉学についていくためには積極的に質問することも大切なので、そういった積極性があるかどうかも、大きなポイントのようです。

須磨学園はマラソンや水泳にも強い選手が出ています。スポーツや芸術に精進する生徒も多いのですが、そういった生徒は学習でも頑張りが効いているそうです。年後には中高一貫生も卒業することになり、これからますます進学実績が出て、志願者が増えていく学校なのだろうなあ、と思いつつ山に聳える校舎を板宿の街から振り返りました。 (2007621日) (2008年4月30日改訂)


校舎国旗と校舎  山の中腹に建つ校舎板宿の街から望む

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